【要約】一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方

一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方 review

サンマーク出版から出版されている、脳内科医の加藤 俊徳氏の書いた
一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方
のレビューです。

大人には大人の脳にあった勉強法がある

本書は、脳内科医であり、独自開発した加藤式MRI脳画像診断法を用いて1万人以上を診断・治療した経験を持つ加藤 俊徳氏が書いた書籍です。
著者の経験から書かれた本で、学びなおしたいと思っている大人にとっての希望の書です

こんな人におすすめ

勉強する人
勉強する人
  • 若いときのようにものが覚えられなくなっていると感じている人
  • 異動や転職により新しいことを勉強する必要がある人
  • 収入アップのために新しいスキルを身につけたい人
  • 歳を重ねて急に知的好奇心が出てきた人

40代で新しいことを学ぶのに効率的な方法がないか探していた

私自身、40代になってから本を読むようになりました。漫然と将来が不安になったり、お金のことを心配したりとしていた時に、投資を知り、勉強のために本を読むようになりました。
また、40代でいままで20年以上続けてきたソフトウェア開発者を辞め、別の職種に転職しました。そのためいままでとは異なる知識を得るための学び直しが必要となりました。(今話題のリスキリングですね!)
ですが、新しい知識を覚えるには若いほうが有利、という世間一般の常識が頭によぎり、「40代でも新しいことを学ぶのに効率的な方法はないか」と探していた時に出会ったのが本書です。
本書は主に大人の、それも30代以上の方に向けて書かれた本ではありますが、中には小学生の子供の成績アップにもつながるテクニックも書かれているので最後に紹介しますね。

本の表紙に、ちょっと感じの悪い雲のようなキャラクターが、「え?いつまで学生時代と同じ勉強法やってんの?」と挑発的な言葉を投げかけていて気になったというのも理由の一つです。

若い脳と年を重ねた脳の違い

高校生くらいまでの脳と、大人の脳では、脳の働き方がガラリと変わっています。そのため、大人になってから、学生時代のように暗記中心の勉強を行っても思うような効果は出ません。

学生時代のようなひたすら暗記するような学習法は大人には不向きです。大切なのは、新しく覚えたいことを暗記するのではなく理解すること。そして、以下に挙げるポイントを意識しながら勉強することです!

すごい脳の使い方のポイント

脳科学イメージ
脳のイメージ

本書には、学者や研究者の実験結果や著書の経験から導き出された、すごい脳の使い方と共に根拠ある数値が記載されています。 その数値を中心に、特に本書の重要なポイントと感じたものを以下に紹介します。

短期記憶の2週間から4週間のうちに繰り返しインプットして長期記憶へ

ドイツの心理学者エビングハウスによる「忘却曲線」という実験結果より、人は新しく覚えたものを1時間後には56%を、1日後には74%を忘れる、ということが知られている。 そこで、新しく学習したことを繰り返し復習することで忘却を防ぐ。 繰り返し入ってくる情報は脳が重要なのでは?と判断し、長期記憶になる。 著者のおすすめは短期記憶の2週間から4週間のうちに繰り返しインプットする。 また、復習する際のポイントとして、脳は学んだことの最初と最後を覚えやすいため、復習の際は真ん中から復習することで、 まんべんなく知識を記憶することができる。 復習回数を増やすことも効果的。 勉強直後にスマホでニュースなどを見て余計な情報をインプットしないようにする。

2時間勉強するより、10分の勉強を12日間続けよう!

2時間(120分間)の勉強よりも10分間の勉強を12日間続けたほうが脳科学的にはかなり効率のいい勉強法なのです。

一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方 より引用

勉強する時は、常にそのことが頭の片隅にある状態が理想的。脳にその記憶への連続性を作ることが大事。2時間の勉強よりも10分間の勉強を12日間続けたほうが脳科学的にはかなり効率のいい勉強法。毎日海馬に情報を送り続けるので重要な情報と判断されやすく、記憶に残りやすくなる。どんなに忙しい人でも、1日10分なら時間を捻出できるはず!がんばって時間を作って脳への連続性を保とう!

脳が新しい勉強を受け入れて、好意的に動き出すまでに必要な時間は75時間

脳が新しい勉強を受け入れて、好意的に働き出すまでに必要な時間は、おおよそ75時間程度ではないかと私は考えています。

一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方 より引用

新しい勉強を始めたとき、学んでいることを面白いと感じ、脳の働き方が変わるのにそれなりの時間がかかる。著者の経験では、脳が新しい勉強を受け入れて、好意的に働き出すまでに必要な時間は、おおよそ75時間程度。1日5時間であれば15日間、1日1時間であれば2か月半。新しいことを身につけたいと思っているときは75時間から逆算して1日に費やせる勉強時間からかかる日数の目安を導き出し、スケジュールを組むと良い。新しい勉強を始めたての頃、なかなかエンジンがかからなくても「まだ脳が変化している途中だからしょうがない、もう少し頑張ってみよう」と思って続けよう!

ひとまず75時間経過するまで頑張ってみよう。自転車は漕ぎ始めが一番重いが、どんどん軽くなるし、スピードも出てくる。まだ75時間経過してないな、と思えば頑張れる。

脳にとって作業しやすい時間は20~50分

記憶を司る海馬は、時間と関連づけることで、迷いなく働いてくれるようになることが脳科学で明らかになっています。

一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方 より引用

脳には、デッドライン(期限)を設けたほうが働きやすくなるという特性がある。苦手なことは短めに、得意なことは長めにデッドラインを設定するのが良い苦手なことは20分、得意なことは50分。期限が長すぎると感情が入り込む余地が生まれ、脳がさぼり始める。

まとめ:物覚えの悪さを年齢のせいにはできない

頂上を目指そう!
脳とうまく付き合って頂上を目指そう!

75時間で脳番地が変化すると、具体的な数字を知ることができたのは大きい。やはり新しいことの勉強し始めは思うように進まなくて、少し「キツイ」んですよね。今まで漫然と「慣れればもっとペースが上がるはず」と頑張っていたけど、これからは「まだ75時間経ってないからな。あと××時間頑張ろう!」と具体的な目標に変換できるのが良い。頑張れそうです。

また、漫然と何回も復習した方が良いというのは思っていたけど、復習する際は真ん中から始めると良いというのも新たな発見。つまづくような部分から毎回始めるのは苦痛で、復習の頻度が落ちると思うので、まずはスタートの敷居を下げて回数を稼いでいきたいです。

本書を読み、年を重ねてからもまだまだ新しいことを学び、吸収できるんだと前向きな気持ちになりました。この本を読んだからには、物覚えの悪さを年齢のせいにはできませんね!

今回紹介は省きましたが、脳の各部位の働きに応じて著者が命名した「脳番地」と、それぞれの脳番地の特性を生かした効果的な学びの方法についても記載されています。

また、紹介したポイントのほかに、本書の最後には年代別の脳の取り扱い説明書が記載されています。脳には年代ごとに「旬」があり、その「旬」を上手に使って何歳でも上手に脳と付き合っていくためのポイントが記載されています。
今回は40代の脳の働きを中心に紹介しましたが、50代でピークを迎える脳の働きや、60代の必須の行動も記載されていて参考になると思います!興味のある方はぜひ本書を手に取ってみてください。

おまけ:小学生の成績アップにもつながるテクニック

最後に、小学生の子供の成績アップにもつながるテクニックが書かれていましたので紹介します。
それは子どもに、学校から帰ってきたら親に授業の内容を教えてもらう、ということです
なるほど、後で説明するために真剣に授業を聞く、というのはあり得るなと思いました。
仕事でも、「後であなたから部長に説明してね」と言われると、真剣に話を聞いて理解しようとしますよね。どのような順番で話せば部長が理解できるか、すんなり了承してくれるか、などを考えながら、自分事として聞くからです。
小学生がそこまで真剣に話を聞いてくれるかは個人差があると思いますが、試してみようと思いました。

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